がん分子標的治療学分野 平成30年度の学生募集をします

がん分子標的治療薬の探索・開発研究が、抗がん剤開発において中心的な役割を担うようになっています。がん分子標的治療薬の臨床導入が進むにつれ、その有効性が明らかになり、また比較的軽微な副作用などから、がん分子標的治療薬への期待はますます大きなものとなっています。当研究分野では、新しいがん分子標的治療法の開発を目指し、標的となりうるがん転移関連分子、キナーゼ(藤田担当)、がん細胞の環境適応機構(冨田担当)、がん細胞のテロメア制御機構、がん幹細胞(清宮担当)といった多岐にわたる基礎研究を展開しています。そして、その成果を基盤とした創薬研究に取り組んでいます。

基礎研究部

教授: 藤田直也
がん研究会がん化学療法センター
TEL: 03-3570-0481
E-mail: naoya.fujita{at}jfcr.or.jp
研究室HP

研究紹介

【キーワード】治療薬耐性(Drug Resistance)、がん転移(Tumor Metastasis)、がん幹細胞(Cancer Stem Cell)、がん進化(Tumor Evolution)、がん免疫(Immuno-Oncology)

当研究室では、がん分子標的治療薬創製に向けた基礎研究・創薬研究として、以下の3つのテーマを中心に研究しています。1)我々は転移がん細胞表面に発現している血小板凝集促進因子としてPodoplanin(別名Aggrus)を同定しました。この転移促進分子Podoplaninの機能を阻害する中和抗体や低分子化合物を創成し、転移阻害薬として臨床応用することを目指しています。また、がん転移関連分子の探索と血小板より放出される増殖因子によるがん転移促進構造を解析しています。2)現在臨床で広く用いられているがん分子標的治療薬は劇的な奏功率を示すものがあり、がん医療に大きな革新をもたらしています。しかし、これらの薬剤に対し著効を示した症例でも1年以内に耐性が生じてしまいます。我々はこの獲得耐性の分子構造を臨床検体を用いて次世代シーケンサーと細胞生物学を駆使した解析を行い、より有効ながん分子標的治療薬mp創製を目指しています。3)幹細胞様形質を持ったがん細胞(がん幹細胞)が、がんの転移・薬剤耐性に関与していることが示唆されています。我々はがん幹細胞の同定と共にがん幹細胞を標的にした治療法開発を行っています。

ゲノム研究部

教授: 冨田章弘
がん研究会がん化学療法センター
TEL: 03-3570-0514
E-mail: akihiro.tomida{at}jfcr.or.jp
研究室HP

研究紹介

【キーワード】がん微小環境(Tumor Microenvironment)、創薬(Drug Discovery)、がん代謝(Tumor Metabolism)、小胞体ストレス応答(Unfolded Protein Response)、オートファジー(Autophagy)

当研究室では、数万種類の遺伝子の発現量を一度に測定する、マイクロアレイによる遺伝子発現解析技術を基盤技術として、がん分子標的治療の研究を推進しています。特に、がんに特徴的にみられる生体内での増殖環境―微小環境―に着目し、がん微小環境選択的な分子標的治療法の開発研究に取り組んでいます。生体内においてがん細胞は、低酸素やグルコース欠乏といった劣悪な微小環境で生き延びるため、正常細胞とは異なる代謝機構を備えるとともに、環境ストレスに対して適応応答し、自らを保護しています。そこで本研究室では、遺伝子発現解析技術を応用し、低酸素やグルコース欠乏などに対する適応応答を中心に、生体内における増殖環境へのがん細胞の適応応答の解析を行っています。そして、微小環境におけるがん細胞の適応応答を制御しがん細胞を選択的に死滅させる、新しい分子標的治療法の開発を目指して研究を進めています。一方で、臨床検体等での遺伝子発現解析を通じ、分子標的薬の有効性を予測し診断する方法の開発研究や、治療抵抗性がんに対して有効な分子標的を同定し治療法の開発に応用展開するための研究にも取り組んでいます。

分子生物治療研究部

准教授: 清宮啓之
がん研究会がん化学療法センター
TEL: 03-3570-0466
E-mail: hseimiya{at}jfcr.or.jp
研究室HP

研究紹介

【キーワード】

分子標的(Molecular Target)、創薬(Drug Discovery)、テロメア(Telomere)、グアニン4重鎖(G-quadruplex)、がん幹細胞(Cancer Stem Cell)

当研究室は、がん細胞の普遍的性質である「不老不死性」およびがんの起源となる「がん幹細胞」に焦点をあて、その機構解明と創薬応用を目指した基礎研究を推進しています。1)細胞老化の時限装置として働く染色体末端構造、テロメアに着目しています。テロメア合成酵素テロメラーゼの阻害剤や、グアニン4重鎖(G-quadruplex)リガンドなど、がん細胞のテロメア再生機構を破綻させる化合物の同定・創製を起点に、新たながん分子標的治療法の開発を目指しています。2)テロメラーゼの機能を促進するポリ(ADP-リボシル)化酵素、タンキラーゼに関する基礎研究を進めています。タンキラーゼは発がんや幹細胞制御に寄与するWnt/β-カテニンシグナルの促進因子でもあり、革新的制がん創薬シーズとして、阻害剤開発とその臨床応用を目指した治療研究を進めています。3)がん細胞集団の中でも特に腫瘍源性が高く、薬剤耐性や再発の原因となるがん幹細胞が近年注目されています。我々は、機能ゲノミクスや網羅的遺伝子発現解析により、がん幹細胞の治療標的となる分子を追究しています。

研究室紹介

東京大学
東京大学大学院新領域創成科学研究科
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