ゲノムシステム医療科学分野 平成30年度は学生募集をしません

教授: 菅野純夫 
TEL: 03-5449-5286  
E-mail: ssugano{at}k.u-tokyo.ac.jp
研究室HP

准教授: 渡邊学
TEL: 03-5449-5343
wata{at}k.u-tokyo.ac.jp

研究紹介

ヒトは、約3万種類の遺伝子産物によって構成される複雑で精巧な分子システムである。疾患はこの分子システムの乱れと捉えることができる。我々の研究室では、完全長cDNAライブラリーの構築法を開発し、完全長cDNAの形でのヒト遺伝子の網羅的収集を行ってきた。現在までに約2万種類(既知遺伝子約1万種類と同数の新規遺伝子)の完全長cDNAの収集を完了し、ヒト遺伝子の大部分についてはそのカタログ化が終了したと考えている(http://www.nedo.go.jp/bio/)。


図1 完全長cDNAライブラリーの作製法


今後は、これらのcDNAを基盤として分子システムとしてのヒトを理解し、疾病の診断・治療・予防につなげていかなければならない。そのために、まず依然として機能未知である約1万の新規遺伝子について、我々は、質量分析機を用いたタンパク質レベルでの遺伝子発現の検証を行うと同時に、計算機を用いたタンパク質モチーフまた、膜貫通領域といった機能ドメインの推定を行っている。さらに予測された細
胞内局在を検証すべく、GFP・YFP融合タンパクを用いたハイスループットな細胞内局在の実験的同定を行っている(図2)。
さらに、多数の遺伝子群がいつどのような制御を受けて発現されているかのメカニズムを解明することが不可欠である。そのためには、遺伝子のプロモーターなど発現制御領域の同定と解析が必要である。




図2 機能未知新規遺伝子の細胞内局在の同定


新規遺伝子(GeneX)の完全長cDNAを用いて、EYFPとの融合タンパクを発現させ細胞内局在を同定した(A)。染色された核(B)、ミトコンドリア(C)との位置の比較から、本遺伝子はミトコンドリアに局在することが分かる(D)。



完全長cDNAの塩基配列情報は、そのコードするタンパク質の完全な情報をもたらしただけでなく、従来困難であった正確な転写開始・_(完全長cDNAの5’端は定義上mRNAの転写開始点に相当する)の決定作業をゲノム規模で行うことを可能にした。我々は、完全長cDNA配列と今年に入って完成したヒトゲノム配列を比較することにより、約1万のヒト遺伝子についてゲノム上での正確な転写開始点の位置を決定し、隣接する上流転写制御領域(プロモーター領域)の配列を同定している(図3)。
詳しくは我々の公開するデータベースDBTSS(http ://dbtss.hgc.jp/)を参照されたい。
さらに同定されたプロモーターのどの領域にどのような転写活性化能が含まれるかを実験的に検証すべく、我々は約500の遺伝子について、プロモータークローンを単離、レポーター遺伝子アッセイによりその転写活性化能を測定している。また、クロマチン免疫沈降法を用いて、転写因子とプロモーターとの相互作用を同定する実験系の構築も併せて行っている。


図3 我々の研究室で運営する転写開始点データベースDBTSS

約1万種類のヒト遺伝子の転写開始点と隣接するプロモーター配列が検索できる。

研究室紹介

東京大学
東京大学大学院新領域創成科学研究科
最新発表論文
教養学部生へ

このページの先頭へ戻る