免疫・感染制御研究分野

教授: 新藏 礼子
TEL: 03-5841-8488
E-mail: rshinkura{at}iqb.u-tokyo.ac.jp
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研究紹介

【キーワード】 抗体、腸内細菌、体細胞突然変異、粘膜免疫

 免疫システムのなかでもBリンパ球が産生する抗体に注目して研究を進めています。抗原刺激を受けるとBリンパ球はactivation-induced cytidine deaminase (AID)という酵素を発現し、抗体の抗原結合力を変化させる体細胞突然変異とともに、抗体の攻撃力を変えるクラススイッチが誘導されます。両者は感染防御に重要な役割を担っておりともにAIDが必要で、AIDによるDNA切断が引き金となって抗体遺伝子に変異が導入されます。DNA変異はゲノム安定性に対する大きな危険要素となり、これがうまくコントロールされないと細胞のがん化を引き起こします。私たちは体細胞突然変異だけが特異的に障害されるAID変異体を見つけ、これを手掛かりに体細胞突然変異の分子メカニズムを明らかにします。同時に、新しい抗体を作るメカニズムを探りながら、基礎研究の成果を病気の治療に役立てることを目指します。

<主な研究テーマ>

1) 腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の解明
腸管のIgA抗体は多彩な腸内細菌叢の何を識別して制御するのかを明らかにします。
2) 体細胞突然変異機構の分子レベルでの解析
遺伝子に能動的に変異を入れる機構がどのように制御されるのかを明らかにします。
3) IgAへ選択的にクラススイッチさせる誘導物質の探索
アレルゲンに対してIgEではなくIgAを選択的に作れればアレルギー反応のかわりに粘膜防御に役立つはず、というアイデアを応用へとつなげます。



体細胞突然変異によってできる高親和性IgA抗体が腸内細菌制御に重要である。

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東京大学
東京大学大学院新領域創成科学研究科
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