研究室紹介

メディカルサイエンス群/連携清宮研究室
(がん分子標的治療学講座・がん研究会がん化学療法センター)

当研究室は、がん細胞の不老不死性と密接な関係にある染色体末端構造「テロメア」およびがんの起源となる「がん幹細胞」に焦点をあて、その本態解明と創薬応用を目指した研究を推進しています。 1)細胞老化の時限装置として働くテロメアががん形質に及ぼす影響を追究するとともに、テロメアのグアニンに富む核酸配列が形成する特殊な構造体、グアニン4重鎖(G-quadruplex: G4)に着目しています。G4を安定化するG4リガンドは、神経膠芽腫などの難治がんの増殖を抑制することから、これを新たながん分子標的治療薬として実用化する開発研究、薬効予測バイオマーカーの同定を目指した基礎研究を進めています。 2)テロメア再生酵素テロメラーゼの機能を促進するポリ(ADP-リボシル)化酵素、タンキラーゼに関する基礎研究を進めています。タンキラーゼは発がんや幹細胞制御に寄与するWnt/β-カテニンシグナルの促進因子でもあり、革新的制がん創薬シーズとして、阻害剤の創製とその臨床応用を目指した開発研究を進めています。 3)不均一で可塑的ながん細胞集団において、腫瘍塊を形成する能力が特に高く、薬剤耐性や再発の原因となるがん幹細胞が注目されています。私たちは、機能ゲノミクス探索・網羅的遺伝子発現解析・シングルセル解析などを通じて、がん幹細胞を駆逐する標的分子の同定を目指しています。

研究キーワード
分子標的、がん創薬、テロメア、グアニン4重鎖、がん幹細胞
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