研究室紹介

メディカルサイエンス群/連携岩崎研究室
(RNAシステム生物学講座・理化学研究所)

1950年代にノーベル賞科学者であるフランシス クリックによって提唱されて以来、「DNAがRNAをつくり、RNAがタンパク質をつくる」というルール、いわゆる「分子生物学のセントラルドグマ」は生命の最も基本的な原理だと考えられています。私たちの研究室ではセントラルドグマの中心であるRNAからタンパク質が作られる翻訳という反応がどのように制御され、それがどのように生命をコントロールしているのか、を理解するために主に以下の2つの手法を組み合わせ、研究を行っています。

研究キーワード
RNA、翻訳、リボソーム、次世代シーケンサー、生化学、バイオインフォマティクス、リボソーム・プロファイリング
次世代シーケンサーを用いた網羅的解析

近年のシーケンサーの発達によりRNAの配列と量を網羅的に解析することができるようになりました。これを利用したリボソーム・プロファイリングと呼ばれる技術を駆使し、どのようなRNAのどのコドンがリボソームによって解読されているかを網羅的に解析することにより、翻訳の状態を俯瞰します。実際に、この手法により、これまでの実験手法では理解することができなかった、様々な翻訳のダイナミクスが明らかになりつつあります。 また同時に、翻訳を制御するRNA結合タンパク質がどのようなRNAに結合しているのかを次世代シーケンサーを用いた解析により明らかにすることで、RNA-RNA結合タンパク質-翻訳の三者の関係を明らかにします。

古典的な生化学を用いた作用機序の解明

翻訳は複雑で多段階の反応を経ます。また同時にそれぞれの段階で様々な調節機構を備えています。それらの詳細なメカニズムを明らかにするためには、反応をそれぞれの素過程に分解し解析する必要があります。このために、古典的ですが非常に強力な生化学的アプローチによって、RNAと翻訳の制御の詳細なメカニズムの解明を行っています。 私達の研究室では以上のwetとdryの実験・解析を自身で行い、両方のアプローチに精通した人材を育成することを目指しています。研究室見学はいつでもwelcomeです。一緒にRNAと翻訳の謎に挑戦しましょう。

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