研究室紹介

メディカルサイエンス群/兼担滝沢研究室
(定量研 クロマチン構造機能研究分野)

近年、飛躍的に発展してきましたクライオ電子顕微鏡解析を用いることにより、様々なタンパク質複合体の立体構造が明らかとなってきました。特に、結晶化が困難な生体超分子複合体、膜タンパク質、均一性の低い動的なタンパク質複合体などの構造が多数解明されてきました。私たちは、真核生物が持つ膨大な量のゲノムDNAを核内に収納するための構造体である、『クロマチン』をターゲットとして研究を行っています。クロマチンは、4種類のヒストンタンパク質2分子ずつからなる8量体の周りに、1.65回転DNAが巻きついたヌクレオソームと呼ばれる円盤状の構造体を基本単位とし、ヌクレオソームが数珠状に繋がれた高次構造を形成しています。私たちの研究室では、クライオ電子顕微鏡単粒子解析およびクライオ電子線トモグラフィーを用いて、試験管内で再構成したクロマチン、細胞核から抽出してきたクロマチンに加えて、細胞核内のクロマチンの立体構造解析を行っています。クロマチンの基本構造から高次構造まで、多様な立体構造を解析することで、クロマチン構造による転写・複製・修復などの核内イベントの制御機構解明を目指しています。

研究キーワード
クロマチン、クライオ電子顕微鏡、エピジェネティクス、構造生物学、生化学
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