情報生命科学群/基幹講座森下研究室
(大規模オーミクス解析分野)
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森下 真一 教授
DNAとオーミクス周辺の生命科学の研究課題に取り組んでいます。生命科学は、情報学・数学・1分子計測技術の魅力的な実験場です。これらの学問を積極的に取り入れています。
- 研究キーワード
- DNA、オーミクス、1分子・1細胞計測、アルゴリズム、並列計算、機械学習、
DNAとオーミクス周辺の生命科学の研究課題
現在の研究中の課題を以下に挙げます。
- ヒトゲノム内の構造多型を大規模に調査し、疾患に関連する構造異常を探索するアルゴリズム。 長鎖型DNAシーケンサー(PacBio Sequel, Oxford Nanopore)を利用。
- 解読と分析が困難であったヒトゲノム領域(セントロメア、縦列型リピート領域、HLA等)や腸内細菌叢を正しく理解するためのアルゴリズム(ゲノムアセンブラ、進化系統樹推定)。 長鎖型DNAシーケンサーと Hi-C 法を利用。
- 多因子性疾患に罹患するリスクを、少数の遺伝的多型データから推定するアルゴリズム。
- ヌクレオソーム構造が遺伝的多様性にどのような影響を与えるか?
- DNA核内折り畳み構造の動態。 初期胚でいつ確立し、転写をどのように制御するか?
- DNAポリメラーゼの挙動を1分子レベルで観測し、DNAメチル化、DNA損傷を検出するアルゴリズム。観測にはPacific Biosciences社の1分子計測技術 Zero-Mode Waveguide を活用。
情報学・数学からのアプローチ
これまでに応用を試した例を挙げます。
- 最適化アルゴリズム 計算量理論 グラフ理論
- 並列計算 データベース技術
- 機械学習 計算幾何学 代数幾何学
- 述語論理 自動証明技術(resolution, unification等)
生命科学で新しい結果が出た場合は科学系の雑誌に報告し、生命科学で利用してほしいときにはバイオインフォマティクス系の雑誌(Bioinformatics 等)、コンピュータ・サイエンスとして価値がある場合には ACM, IEEE 等の雑誌に報告してきました。
これまでに論文発表した研究テーマ
ゲノムアセンブリ、DNAメチル化、構造多型解析用のアルゴリズムを多数 [Bioinformatics 2016, 2018, 2020 等]
DNA折り畳み基礎構造ループは原腸陥入で確立する [Genome Res. 2021] 図2
ヒト・セントロメア高次構造(HOR)の著しい多様性と人種を超えた共通性 [Science Advances 2020]
ヒト腸内細菌叢の全ゲノム、プラスミド・ファージ解析 [Microbiome 2019]
脳疾患に関わる構造異常を発見 [Nature Genetics 2018, 2019]
モデル生物ゲノム解読 メダカ[Nature 2007, Nature Comm 2017] 線虫[Genome Res. 2019] ハムスター[NAR 2021]等
線虫ゲノムの trans-splicing 構造を解明 [Genome Res. 2013]
DNAメチル化が影響する新たな遺伝的多様性を発見 [Genome Res. 2012]
クロマチン構造が影響する新たな遺伝的多様性を発見 [Science 2009] 図1
脊椎動物の全ゲノム重複(大野の仮説)を立証 [Genome Res 2007]
出芽酵母遺伝子破壊株の1細胞画像解析 [PNAS 2005]
- ゲノムアセンブリ、DNAメチル化、構造多型解析用のアルゴリズムを多数 [Bioinformatics 2016, 2018, 2020 等]
- DNA折り畳み基礎構造ループは原腸陥入で確立する [Genome Res. 2021] 図2
- ヒト・セントロメア高次構造(HOR)の著しい多様性と人種を超えた共通性 [Science Advances 2020]
- ヒト腸内細菌叢の全ゲノム、プラスミド・ファージ解析 [Microbiome 2019]
- 脳疾患に関わる構造異常を発見 [Nature Genetics 2018, 2019]
- モデル生物ゲノム解読 メダカ[Nature 2007, Nature Comm 2017] 線虫[Genome Res. 2019] ハムスター[NAR 2021]等
- 線虫ゲノムの trans-splicing 構造を解明 [Genome Res. 2013]
- DNAメチル化が影響する新たな遺伝的多様性を発見 [Genome Res. 2012]
- クロマチン構造が影響する新たな遺伝的多様性を発見 [Science 2009] 図1
- 脊椎動物の全ゲノム重複(大野の仮説)を立証 [Genome Res 2007]
- 出芽酵母遺伝子破壊株の1細胞画像解析 [PNAS 2005]
大学院生の研究テーマ選び
自分が興味をもった研究でないと長続きしません。研究課題の選択は各自に委ねています。ただ新しい課題でないと困るし、インパクトもほしいので、そのあたりを研究室全体で議論します。学内の研究室、東大病院、スタンフォード大学、ワシントン大学、マックス・プランク研究所等の海外の研究機関と共同研究してます。国際会議に参加し、オンライン会議に参加し、共同研究先に訪問・滞在し、実践的な英語力を高めています。